ライターが指の間で回転し、分解され、再び組み立てられる。陸静淵はメインテーブル中央の高背もたれ椅子を見つめ、内ポケットの計画書の断片が肋骨に熱く張り付くのを感じていた。趙明誠の死の手がかりは、すべて名簿の三番目の名前に賭けられていた――沈墨卿。彼が確認する間もなく、晩餐会の灯りが目を刺すほどに輝いた。シャンデリアが一人ひとりの影を床に釘づけにし、まるで屠殺を待つ標本のようだ。
灯りが一瞬揺らぐ。
電圧の不安定ではない。屈折だ。庭園の方角、あずまやの屋根から一瞬、反射光が揺らいだ。
スナイパースコープ。
シャンデリアが砕け散る。
彼はテーブルを飛び越え、沈墨卿の襟首をつかみ、その老いた身体を椅子ごと引きずり倒した。弾丸が革張りの背もたれを貫く鈍い音が聞こえた時には、二人はすでに床に激しく叩きつけられていた。
「伏せろ! 死にたくなければ顔を上げるな!」
銀のトレイを逆手に掴み、頭上に掲げて盾とする。砕けたガラスが金属を叩き、チリンチリンと音を立てる。一片のガラス破片が隙間から入り込み、手の甲に深く突き刺さる。針の先が骨髄までねじ込むような鋭い痛み。倒れた燭台から熱い灯油がこぼれ落ち、袖口を焼き焦がし、皮肉がジュッと焦げる音を立てる。
沈墨卿の瞳孔が縮む。左手の親指にはめた翡翠の矢筒が非常灯の下で冷たい光を放ち、痙攣するほど速い頻度で擦れ合っていた。
ホールは大混乱に陥る。悲鳴、倒れるテーブルや椅子の音が交錯し、火薬の匂いが香水や焼き肉の脂っこい臭いと混ざり合い、鼻を直撃する。パニックに陥った人々が無秩序に踏み鳴らし始め、靴底が砕けたガラスを軋ませるギシギシという音が歯を浮かせる。陸静淵は沈墨卿を柱の陰に引きずり込み、頭の中で速やかに状況を推測する。
二発。北東の方角。庭園のあずまやの屋根。
弾道角度はメインテーブルの全席をカバーしている――唯一、沈墨卿が座っていた位置だけが、高背もたれの厚みによる遮蔽のため、唯一の射撃死角となっていた。
死角。死角。
誰かが彼がそこに座ることを知っていた。誰かが意図的にあの椅子を配置し、唯一の生路を作り出し、その座標を漏らして、唯一命中できない角度から狙撃手に発砲させた。警告か? それとも趙家内部の粛清の試みか?
「放せ!」沈墨卿がもがく。声はまだ落ち着いている。「陸さん、これは何の真似だ?」
「生きたいなら黙っていろ」陸静淵は彼を支え、配膳用通路へと駆け込む。「地下室だ」
「あの位置」陸静淵は低い声で言い、足を止めずに進む。「厚みのある背もたれ、唯一の死角。誰があなたにあそこに座らせた?」
沈墨卿の呼吸が一瞬止まる。老人の右肩から血が滲んでいる。弾片か、砕けたガラスによる傷か見分けがつかない。荒い息遣いだが、陸の腕を掴む手の力は鉄の鉗のようだ。
狭い階段。鋼鉄の扉が閉まる空気音。電子錠が噛み合うカチッという音。
信号遮断灯が点灯する。通信は切断された。
シェルターの非常灯が青白い光を投げかける。隅の棚にはコンパクトなビスケットとミネラルウォーターが積まれ、その横には白磁のティーセット――急須の口からはまだ湯気が立ち上り、熱い湯呑みが盆の縁に置かれている。湯呑みの側面からは熱い温度が伝わり、まるで誰かが淹れたばかりで急いで立ち去ったかのようだ。
沈墨卿は壁によりかかって滑り落ち、肩の傷口を押さえる。濃厚な鉄の臭いが密閉空間に立ち込める。
頭上から足音が聞こえる。
慌てて逃げる音ではない。迷いながら探す音でもない。
トン。トン。トン。
リズムは正確で、歩幅は一定だ。誰かがこの部屋の存在を知っている。
狙撃手は表向きの駒に過ぎない。
陸静淵は袖口を引き裂き、布切れを手に、沈墨卿の肩へと手を伸ばす。
「先見の明があるな、陸さん?」老人の声はかすれているが、一言一言がはっきりとしている。「あの位置が死角だということを知っていた。狙撃スコープの反射光までも見逃さなかったとは?」
陸静淵は動かない。指関節が傷口の三寸上に浮き、滲み出る温かさを感じられる。濃厚な鉄の臭いが密閉空間に立ち込め、鼻腔の粘膜に粘りつくように付着する。
「もし私があなたを死なせたかったら、引きずり下ろしたりはしません」
「お前は生け捕りにして、値をつけようとしているだけかもしれん」翡翠の矢筒が親指の上で半回転する。「黄雀が後ろにいる。そんなものは山ほど見てきた」
頭上の足音が止まる。静寂は騒音よりも神経を尖らせる――まるで台風の目の、あの一時的な偽りの平穏のようだ。
陸静淵は視線を下ろし、あの血の滲む傷口に落とす。弾片による擦過傷。肩峰から三角筋停止部にかけて斜めに切れている。入射角は上方に偏り、出口面は狭い。
「銃をおろしてください、沈さん」陸静淵は突然口を開く。「7.62ミリライフル弾、この距離なら貫通傷には焼け焦げた縁があるはずです。あなたの傷口は鋭利な刃物による切り傷で、縁は整っており、深さは均一です――誰かが至近距離で切ったのです」
沈墨卿の指が一瞬硬直する。
「何をほのめかしているのだ?」沈墨卿の口調がわずかに沈む。
「誰もがあなたがその席に座ることを知っていた。自分だけが知らなかったとでも?」
その言葉は鈍い刃のようで、触れてほしくない場所に突き刺さった。沈墨卿の瞳孔が収縮し、矢筒を擦る手が突然止まる。
沈黙。換気ダクトから伝わる低周波の唸り音だけが響く。
「……顧知行だ」老人はようやく口を開いた。声には、砕けた陶器のような乾いた響きが押し込められていた。「晩餐会の前に、彼が私の椅子を調整しに来た。背もたれのネジが緩んでいると言って、補強すると」
背もたれの補強。唯一、弾道を遮る障壁。あの位置を死角にする唯一の改造。
陸沉舟は目を閉じた。左目の端がぴくっと痙攣した。
「あなたは止血が必要だ。私は出口が必要だ。今は、お互いしかいない」
沈墨卿は五秒間、彼を見つめた。その視線は、出所不明の金塊を量るようだった――純度は疑わしいが、今は他に選択肢がない。
銃口が離れた。
「沈家の緊急連絡用密書だ」老人はスーツの内ポケットから牛皮紙の封筒を取り出し、血のついた指紋を封じ目に押し付けた。「当主だけが携行する。持っていけ」
陸沉舟は封筒を受け取り、まず袖の布を裂き、手早く傷口に巻きつけた。沈墨卿はうめくような声を漏らしたが、避けはしなかった。
血が布を染める速度は、予想より速かった。
彼はうつむいて密書を調べ、紙が青白い光の下でめくられた――連絡担当者、安全家屋の座標、資金の暗線。
三枚目をめくった時、彼の指が止まった。
はさみ込み。蝉の羽のように薄い画仙紙が一枚、折りたたまれて綴じ目の間に挟まっている。
広げる。手書きの楷書が数行。末尾に朱色の印章、そして――
一つの署名。
陸沉舟の息が一瞬止まった。
周徳彰。
周徳彰。
その名前は、錆びた釘のように、紙面から彼の眼球の奥深くに突き刺さった。十年前の法廷、法槌が下ろされる鈍い音、自白書に滲んだ墨の染み――すべての光景が一瞬で押し寄せ、そして彼はそれを無理やり暗闇の中に押し戻した。
彼は画仙紙を折りたたみ、隠しポケットにしまった。二つの弾片が、肋骨の間に食い込み、息をするたびに痛む。
安全家屋の灯りが一瞬ちらついた。換気ダクトの唸りが調子を外し、鉄の檻に閉じ込められた獣が身をよじるようだ。
沈墨卿は壁にもたれて座り、肩の血はすでに布を染み通し、灰色の床タイルに小さな暗い染みを広げていた。老人のまぶたは垂れ下がり、親指はまだ無意識にあの翡翠の指輪をこすっていた――その速さは秒を数えるようだ。
寒い。地下室には暖房がなく、湿気が四方から染み込み、骨の隙間に入り込んでくる。
陸沉舟は隅の非常用キャビネットの前に歩み寄り、錆びた鉄の扉を引いた――クラッカー、包帯、魔法瓶一本。
揺らす。まだ温かみが残っている。
彼はフタを開け、湯気が立ち昇り、粗悪な茶葉の苦い香りが顔を襲った。白磁の湯呑みがキャビネットの棚に置かれ、ほこりをかぶっていた。彼は袖口で拭い、一杯注いだ。
湯呑みの縁から伝わる熱さが手のひらに突き刺さる。痛い。しかしその熱は一本の細い糸のように、指先から胸元へと繋がり、凍りついた何かをゆっくりと引き戻す。彼は湯呑みを握りしめ、指先で粗い釉薬の感触を確かめ、温度が血管の中の氷の破片を少しずつ溶かしていくのを感じた。
ドアの外で、足音が止まった。
静寂は騒音よりも危険だ。
陸沉舟は目を閉じた。隠しポケットの中の二枚の紙が胸に密着し、同じ鍵穴に差し込まれた二本の鍵のようだ。周徳彰の署名。秦鴻遠の署名。一つは筆を下ろして有罪を確定させ、もう一つは口封じを実行する――二本の線が異なる方向から伸び、最終的にある一点で交わる。
その点が、今、壁際で血を流している。
もし沈墨卿がここで死ねば――
自白書の真実は永遠に地下に埋もれる。周徳彰はまだ生きており、どこかの法廷の高座に座り、まだ署名をし、まだ無実の人々を牢獄へと送り込んでいる。そして彼、陸沉舟は、「刑期を終えた殺人犯」という烙印を押されたまま、誰にも顧みられない片隅で腐っていく。
死んだ敵は最も安全な敵だ。
そして最も役に立たない敵でもある。
彼は目を開けた。左目の端がぴくっと痙攣した。
生きている沈墨卿は鍵だ。死んだ沈墨卿は墓石だ。彼が必要なのは墓石ではない。
陸沉舟は湯呑みを手に沈墨卿の前に歩み寄り、しゃがんだ。
老人は彼を見上げた。その目は濁り、警戒し、疲れ切っていた――閉じ込められた狼のようだ。歯はまだあるが、力はすでに大半を失っている。
「何を見た?」沈墨卿は彼の隠しポケットの位置を見つめた。「命さえ惜しくないものを見たのか?」
「一枚の紙屑だ」陸沉舟は湯呑みを差し出し、声は死んだ池のように平らだった。「温かいものを一口飲め。すぐに走らなければならない」
沈墨卿は動かなかった。親指がこするのをやめ、指輪の上で固まった。
三秒。
老人は手を伸ばして湯呑みを受け取った。血のついた指紋が白磁に押され、不完全な印章のようだ。
ドアの外から鈍い音が響いた――破城槌が鋼板に叩きつけられ、部屋全体が震えた。
お茶が揺れ、数滴がはねて陸沉舟の手の甲に落ちた。熱い。しかし彼は手を引かなかった。
二度目の槌が落ちる。壁の漆喰がさらさらと剥がれ落ちた。
破城槌がドアを打ち、壁全体が震える。ほこりがさらさらと落ち、小さな雪のようだ。
陸沉舟はすでに壁際の古い内部放送用ホスト機に手を伸ばしていた。彼はつまみをひねり、拡声器が耳障りなジリジリという音を爆発させ、電流が針の先のように鼓膜を突き刺す。
沈墨卿は壁にもたれかかり、左手は肩から血の滲む包帯を押さえ、右手は弾倉を外された拳銃を握りしめていた。顔色は紙のように青白い。
「ドアはあと三度も持たない。」沈墨卿の声は低く押し殺されていたが、口調には相変わらず慣れた優雅さが漂っていた。「私の命を餌に使うというのか、陸先生?」
「死者は最高の餌だ。」陸沉舟の指は通話ボタンの上で静止した。「肝心なのは――誰が確認に来るかだ。」
また一撃。ドア枠の蝶番からネジが一本飛び出し、地面にカチンと跳ねた。
「確認?」沈墨卿は彼を見つめた。「裏切り者がこの建物の中にいると賭けているのか?」
「裏切り者は必ずこの目で見なければならないと賭けている。この目で見てこそ、買い手に報告できる。」陸沉舟は振り返って彼を見た。「彼が来なければ、あなたは本当に死ぬ。」
沈墨卿の喉仏が一度動いた。彼はもちろんこの理屈を理解していた。
「あなたの協力が必要です。」陸沉舟が言った。「一声だけでいい。」
「どんな声だ?」
「死に際の。」
沈墨卿が親指の指輪を撫でるリズムが突然速くなる――タ、タ、タ――まるで何かの無言のカウントダウンのようだ。彼は陸沉舟を三秒間見つめ、そしてゆっくりとうなずいた。
陸沉舟は通話ボタンを押した。
「沈家の当主は息を引き取りました。」
彼の声は検死報告を読むかのように平坦だった。抑揚も感情もない――純粋な陳述だ。
「皆さん、網を引き上げて結構です。」
電流のジリジリという音が、短い沈黙を埋めた。彼はボタンから指を離し、変形しつつある鋼鉄のドアに視線を固定した。
一秒。二秒。
沈墨卿が突然、唸り声を上げた――荒々しく、痰が絡んだような、まるで人が最期の瞬間に何かで喉を締め付けられたような音だ。その声は歯の隙間から絞り出され、狭いセーフルームに反響し、そして突然途絶えた。
ドアの外が静かになった。
槌の音が止んだ。足音も止んだ。建物全体が首を締められた生き物のように、突然息を止めた。
陸沉舟の左目の端がぴくっと動いた。彼は秒を数えた:五、十、十五――
廊下の奥から、革靴がガラス片を踏み砕く音が聞こえた。慌ただしい走りではなく、落ち着いた、リズミカルな接近だ。靴のかかとが床を叩くリズムは安定していて、まるで既に決められていた約束に向かう人のようだった。
足音がドアの外で止まった。
「沈先生?」
ドアの外から、温和な男の声がした。探すのではなく、確認する声だ。
鋼鉄のドアが勢いよく押し開けられ、歪んだ蝶番が耳障りな悲鳴を上げた。
顧知行がセーフルームに足を踏み入れた。
彼の視線は床の血痕と壁際にもたれかかる沈墨卿を一瞥したが、そのまま通り過ぎ、陸沉舟の前に立ち止まった。
銃口が上がり、傷ついた当主ではなく、しっかりと陸沉舟の眉間を捉えた。
顧知行は微笑み、言葉遣いは相変わらず抑制が効いて上品だった。「陸先生、あの時獄中で死ななかったのは、本当に残念なことです。」
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第49章: 砕け散る灯、寒き槍 - 鏡の中の殺人者
ライターが指の間で回転し、分解され、再び組み立てられる。陸静淵はメインテーブル中央の高背もたれ椅子を見つめ、内ポケットの計画書の断片が肋骨に熱く張り付くのを感じていた。趙明誠の死の手がかりは、すべて名簿の三番目の名前に賭けられていた――沈墨卿。彼が確認する間もなく、晩餐会の灯りが目を刺すほどに輝いた。シャンデリアが一人ひとりの影を床に釘づけにし、まるで屠殺を待つ標本のようだ。
灯りが一瞬揺らぐ。
電圧の不安定ではない。屈折だ。庭園の方角、あずまやの屋根から一瞬、反射光が揺らいだ。
スナイパースコープ。
シャンデリアが砕け散る。
彼はテーブルを飛び越え、沈墨卿の襟首をつかみ、その老いた身体を椅子ごと引きずり倒した。弾丸が革張りの背もたれを貫く鈍い音が聞こえた時には、二人はすでに床に激しく叩きつけられていた。
「伏せろ! 死にたくなければ顔を上げるな!」
銀のトレイを逆手に掴み、頭上に掲げて盾とする。砕けたガラスが金属を叩き、チリンチリンと音を立てる。一片のガラス破片が隙間から入り込み、手の甲に深く突き刺さる。針の先が骨髄までねじ込むような鋭い痛み。倒れた燭台から熱い灯油がこぼれ落ち、袖口を焼き焦がし、皮肉がジュッと焦げる音を立てる。
沈墨卿の瞳孔が縮む。左手の親指にはめた翡翠の矢筒が非常灯の下で冷たい光を放ち、痙攣するほど速い頻度で擦れ合っていた。
ホールは大混乱に陥る。悲鳴、倒れるテーブルや椅子の音が交錯し、火薬の匂いが香水や焼き肉の脂っこい臭いと混ざり合い、鼻を直撃する。パニックに陥った人々が無秩序に踏み鳴らし始め、靴底が砕けたガラスを軋ませるギシギシという音が歯を浮かせる。陸静淵は沈墨卿を柱の陰に引きずり込み、頭の中で速やかに状況を推測する。
二発。北東の方角。庭園のあずまやの屋根。
弾道角度はメインテーブルの全席をカバーしている――唯一、沈墨卿が座っていた位置だけが、高背もたれの厚みによる遮蔽のため、唯一の射撃死角となっていた。
死角。死角。
誰かが彼がそこに座ることを知っていた。誰かが意図的にあの椅子を配置し、唯一の生路を作り出し、その座標を漏らして、唯一命中できない角度から狙撃手に発砲させた。警告か? それとも趙家内部の粛清の試みか?
「放せ!」沈墨卿がもがく。声はまだ落ち着いている。「陸さん、これは何の真似だ?」
「生きたいなら黙っていろ」陸静淵は彼を支え、配膳用通路へと駆け込む。「地下室だ」
「あの位置」陸静淵は低い声で言い、足を止めずに進む。「厚みのある背もたれ、唯一の死角。誰があなたにあそこに座らせた?」
沈墨卿の呼吸が一瞬止まる。老人の右肩から血が滲んでいる。弾片か、砕けたガラスによる傷か見分けがつかない。荒い息遣いだが、陸の腕を掴む手の力は鉄の鉗のようだ。
狭い階段。鋼鉄の扉が閉まる空気音。電子錠が噛み合うカチッという音。
信号遮断灯が点灯する。通信は切断された。
シェルターの非常灯が青白い光を投げかける。隅の棚にはコンパクトなビスケットとミネラルウォーターが積まれ、その横には白磁のティーセット――急須の口からはまだ湯気が立ち上り、熱い湯呑みが盆の縁に置かれている。湯呑みの側面からは熱い温度が伝わり、まるで誰かが淹れたばかりで急いで立ち去ったかのようだ。
沈墨卿は壁によりかかって滑り落ち、肩の傷口を押さえる。濃厚な鉄の臭いが密閉空間に立ち込める。
頭上から足音が聞こえる。
慌てて逃げる音ではない。迷いながら探す音でもない。
トン。トン。トン。
リズムは正確で、歩幅は一定だ。誰かがこの部屋の存在を知っている。
狙撃手は表向きの駒に過ぎない。
陸静淵は袖口を引き裂き、布切れを手に、沈墨卿の肩へと手を伸ばす。
「先見の明があるな、陸さん?」老人の声はかすれているが、一言一言がはっきりとしている。「あの位置が死角だということを知っていた。狙撃スコープの反射光までも見逃さなかったとは?」
陸静淵は動かない。指関節が傷口の三寸上に浮き、滲み出る温かさを感じられる。濃厚な鉄の臭いが密閉空間に立ち込め、鼻腔の粘膜に粘りつくように付着する。
「もし私があなたを死なせたかったら、引きずり下ろしたりはしません」
「お前は生け捕りにして、値をつけようとしているだけかもしれん」翡翠の矢筒が親指の上で半回転する。「黄雀が後ろにいる。そんなものは山ほど見てきた」
頭上の足音が止まる。静寂は騒音よりも神経を尖らせる――まるで台風の目の、あの一時的な偽りの平穏のようだ。
陸静淵は視線を下ろし、あの血の滲む傷口に落とす。弾片による擦過傷。肩峰から...